次なる税理士法改正に向けて ①

2016年09月01日

制度部長の高橋紀充です。手塚執行部になりまして、制度部所掌(?)の本ページもタイトルを含め、小幅ながらリニューアルを致しました。本年度は「次なる税理士法改正に向けて」という大テーマのもとに、特に資格制度や税理士業務、資格取得の在り方について、疑問や論点を皆さんに提示するような記事を書きたいと考えています。

<主に新合格者の方や、税理士法って何?という方へ向けて書く予定です>

1.資格制度

我々が保有している資格は、言わずもがな「税理士資格」になりますが、この「税理士」という資格は、一体何をするための資格なのでしょうか。その取得理由を、新合格者の方にお聞きすると「会社経理の延長で」「資格を取得して自分で仕事をしたいと思い」などの回答をいただきますが、そもそも「税理士」が法律上は「どのような使命をもって」「何をするための資格で」「能力的には何ができるのか」を踏まえてのお答えが少ないように感じておりました。資格保有者である我々は少なくともこれ位は理解しておかなければいけないのではないでしょうか。

<税理士が国家資格であるということは、きちんと資格について「法律」で規定されているからこその所以です。自分たちの資格について「何ができるのか」ということを理解していないと、例えば、公認会計士とは何が違うのかといった納税者の方の素朴な疑問に、法制度を踏まえ正確に答えられません。>

2.税理士の使命

では、我々税理士の「使命」はどのように規定されているのでしょうか。

「現行」の税理士法には、その第1条に「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と規定されています。

この「税務に関する専門家として」「独立した公正な立場において」「申告納税制度の理念にそって、納税者の信頼にこたえ」「租税に関する法令」「納税義務の適正な実現を図る」について、

我々はどのように解釈すればよいのでしょうか。

3.過去から現在、そして未来

ところで、前段において「現行」の税理士法、とあえて鍵カッコをつけて強調しましたが、実は、現在の税理士法第1条は、制 定時(昭和26年)から昭和55年の改正を経て今日に至っています。

税理士法が制定されて60年以上が経過し、昭和55年の第1条改正からもすでに35年以上が過ぎています。資格業法の根幹である使命条項が頻繁に改正されるとは考えませんが、当時と比べて、時代背景も含めたところで違っているところも多いのではないでしょうか。反対に、今も脈々と続く同じ部分はどこでしょうか。現在の税理士法は、先達の闘いの歴史(結果)であり、その当時の時代背景、政治的内容を往々にして含んだものとなっています。そういった前提は前提としつつも、やはり現在とこれからの未来を生きる我々が、どのような資格制度が妥当なのか、税理士という資格のあり方について考え、議論していく必要があると 思います。

議論なくして次なる改正案や改正に対する意見もありませんので、是非本年度は手塚会長と一緒に考えていきましょう。

4.議論において大切なこと

最後に、こういった議論において大切なことを2つだけ。確かに過去の議論は大事ですが、なぜ過去にそのような議論が生じたのか、その議論は現在にもあてはまることなのかを峻別して議論しなければならなりません。過去に主流だった意見も、その当時は大切(賛同者多数)だったから。時代が変われば、考え方も変わることは当然です。

そしてもう1つ。大切なことは時代が経ても変わらないということ。上記と矛盾しているようにも聞こえますが、大切なものは、時代を経てもやはり大切なものです。そこは譲れません。

要は「大切なこととは何か」。この点を理解した上で、議論を 進めていく必要があります。